概要

平成29年初夏、起床し顔を洗っていたところ右半身に麻痺があり、家族が救急要請。

搬送された病院で、脳内出血と診断。

右片麻痺、失語、意識障害があり、緊急開頭血腫除去術が行われた。

その後はリハビリのため転院。

入院加療が実施された。

 

以後現在に至るまで月1回の受診を継続して行っている。

歩行時には杖を使用しており、右足には装具を装着している。

自宅ではポール伝いで歩いているが転倒することが多く、歩くのもままならない状態。

転倒した場合一人では起き上がれない。

最近では粗相多くオムツを使用することもある。

要介護2となり、ヘルパーが定期的に訪問し身支度や外出時の付き添いを行ってくれている。

入浴時もヘルパーの介助が必要。

 

令和5年11月に障害基礎年金の請求を行う。
結果、障害基礎年金2級（初めて２級による請求）が認められた。

 

担当者コメント

本件、初めて２級と呼ばれる方法で請求を行っています。

初めて２級とは・・
既存傷病により３級以下の障害がある人が、後発傷病（既存傷病とは別傷病）により、前後併せて２級以上の等級に該当すると考えられる際に行う請求を指します。

 

請求人は脳出血により右片麻痺が残存。

通常であれば、脳出血で救急搬送された日を初診日とする障害認定日請求若しくは事後重症請求になる事が想定されますが・・

本件がいずれにも該当しなかったのは、請求人には既存傷病による障害があったからです。

請求に着手した時点では上記いずれかの方法による請求を検討。

しかし、診断書を取得した際、既存障害として【生下時右片麻痺】と書かれていたことから請求方針をイチから練り直し。

生下時右片麻痺のご状態は日常生活に支障はない程の軽度の障害であったとご相談者さまからお知らせいただき、初めて2級による請求に該当する可能性が高いと思われました。

弊社スタッフ間で請求方法を繰り返し協議し、初めて２級による請求を行う事に決定。

書類を整備し請求を行ったところ、無事障害基礎年金2級が認められました。

 

実際に請求手続きを進めると、取得した医証の内容によって、当初考えていた請求方法から変更せざるを得ないケースがしばしば見受けられます。

冷静に状況を分析し、柔軟に対応する事が求められます。