概要

平成６年頃、４０度超えの高熱が続き病院を受診したところ、即入院となる。

腎盂腎炎と診断され、検査の結果尿管逆流していることが判明。

治療を受け、退院後も経過観察のため定期的に通院する事になった。

 

平成１５年に妊娠が判明。

定期的な妊婦健診において高血圧、蛋白尿が認められた。

体調不良により夜間の受診や産婦人科入院を繰り返した。

 

以後現在に至るまで継続的に通院し治療を受けているが、状態は緩徐に悪化している。

長く服薬を続けているが、薬の副作用から睡眠障害が起こり、薬をコントロールしなければ日常生活に支障が生じる。

少し動いただけでも疲れやすく、倦怠感が抜けずに常に体がだるい状態である。

日常生活では家族の助けもあり何とか家事をこなしている。

今後も状態は緩徐に悪化する可能性が高いと言われており、今後の生活のことを考えると不安は尽きない。

 

令和５年３月に障害厚生年金の請求を行う。
結果、障害厚生年金３級が認められた。

 

担当者コメント

腎疾患の障害年金でよく見かけるのが、人工透析施行療法中の方の請求事例。

人工透析を導入された状態は、障害年金では原則２級に該当します。

こちらはインターネットで検索をすれば２級該当の例示に出てくる情報ですので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

 

では透析療法を行っていなければ、障害年金の受給権を得られる事はないのか。

答えはNOです。

透析療法を行われていなくても障害年金の支給を受けられるケースはございます。

具体的には・・

検査数値と就労制限の有無（肉体労働に制限あり等）が大きく影響してきます。

障害の程度（重さ）が障害認定基準に定める障害状態に該当している事が条件です。

今回のご依頼者さまも人工透析療法を受けてはおりません。

前述した障害認定基準に定める障害状態に該当していた事により支給が決定致しました。

 

腎疾患の場合、透析を受けていなければ障害年金の支給対象にならないと思われがちですが、透析を受けていらっしゃらない方でも支給対象となり得る事をご認識いただければと思います。