クローン病 40代女性 障害厚生年金3級
概要
平成23年春頃、右下腹にしこりがある事に気付き、病院を受診。
エコー検査を実施したところ、卵巣に腫瘍がある事が分かり摘出手術を受けた。手術後、発熱・腹痛等炎症反応が依然として続いていたため、再度病院を受診。
精密検査を受けるため入院する事になった。
左下腹部腹腔内の腫瘍、右卵巣由来の良性病変等、様々な原因傷病が疑われ、検査を繰り返し受けたものの、原因は分からず。
最終的に緊急開腹手術を行い下行結腸切除+人工肛門造設術を受ける。
切除標本の組織診にてクローン病が見つかった。退院後は経過観察として、定期的に病院を受診。
現在も治療継続中である。週2回のアルバイトを行っているが、週2回であっても倦怠感が強く、仕事が終わるとぐったりして家事もできないことが多い。
慢性的な疲れが取れず、常に体がだるい。令和4年4月に障害厚生年金の請求を行う。
結果、障害厚生年金3級(遡及請求)が認められた。担当者コメント
裁定請求不支給、審査請求棄却、再審査請求で処分変更となったケースです。
クローン病の初診日を右下腹にしこりがある事に気付き受診した日として請求を行いましたが、保険者はそれを認めませんでした。
保険者が当初認定した初診日は緊急開腹手術を行い、人工肛門が造設された日。
この時点において請求人は会社を退職しており厚生年金保険の被保険者でなかった事から、程度不該当として不支給決定を受けました。
審査請求・再審査請求では保険者が認定した初診日より前から異変があり病院を受診し、治療を継続して受けていた事を主張。
またクローン病の初期症状と考えられる症状を訴えて受診・血液検査項目に異常があった事を証明するため、卵巣腫瘍が見つかってからクローン病が判明するまでの全期間のカルテを提出。
結果、再審査請求後に保険者が処分変更。
主張する初診日が認められ、障害厚生年金3級の受給権を得る事が出来ました。