障害年金の認定基準(肢体の障害)
肢体の障害による障害の程度は、「上肢の障害」、「下肢の障害」、「体幹・脊柱の機能の障害」及び「肢体の機能の障害」に区分されます。
*実際の認定基準を一部読みやすく抜粋・修正しています。
障害の程度 障害の状態 1級 身体の機能の障害または長期に渡る安静、または日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度(例示:一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの 2級 日常生活が著しい制限(例示:一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの) 3級 労働が著しい制限(一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの) 障害手当金 労働が制限(一上肢の3大関節のうち1関節に著しい機能障害を残すもの、他) *症状が固定していない「障害手当金」相当の障害は、「3級」として障害厚生年金が支給されます
- 「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」またはこれに近い状態をいいます。
- 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」、または日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。
- 「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」またほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。
診断書作成時の注意点
肢体障害の診断書は、日常生活動作についてや計測などの記載箇所がとても多いのが特徴です。
病院によっては計測が行われなかったり、日常生活についてのヒアリングが行われずに実際よりも軽い内容で診断書が作成されてしまうケースもありますので注意が必要です。
診断書が出来上がったら年金事務所に提出する前に必ず内容を確認しましょう。
以下、「日常生活動作」として評価される箇所をあげます。
ア)手指の機能
(ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
(イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
(ウ)タオルを絞る(水をきれる程度)
(エ)ひもを結ぶイ)上肢の機能
(ア)さじで食事をする
(イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
ウ 下肢の機能
(ア)片足で立つ
(イ)歩く(屋内)
(ウ)歩く(屋外)
(エ)立ち上がる
(オ)階段を上る
(カ)階段を下りる