慢性腎不全 50代女性 障害厚生年金2級
概要
平成16年頃、血尿があり近医を受診。
処方された薬を服用したところ、症状が消失。
その後継続して受診する事は無かった。平成24年、会社の健康診断で高血圧、蛋白尿の指摘を受け病院を受診。
高血圧症/慢性腎臓病と診断され投薬治療が開始された。
定期的に受診し血圧は安定。
腎機能の増悪進行はなかった。令和2年春頃、クレアチニンの値が急激に悪化。
通院の度に点滴治療を行ったが状態は改善せず。
医師から透析治療が必要な状態が近いと説明された。令和3年2月シャント造設、5月血液透析開始となった。
週に3回、1回4時間の血液透析治療を行っている。透析治療導入後から勤務時間の短縮を余儀なくされた。
疲れすぎると次の日休まなければ動けなくなるほど倦怠感が抜けない。
激しく体力を消耗する業務はしないよう上司が調整してくれている。尿量が減少してきているため、浮腫の症状が強い。
動きが鈍くなりだるさをよく感じるようになった。
特に透析後は疲労感が酷くすぐに寝てしまい、翌朝も起きるのがつらい。令和3年11月に障害厚生年金の請求を行う。
結果、障害厚生年金2級(事後重症請求)が認められた。担当者コメント
本件は、【初診日】の特定に難航しました。
(参考記事:「初診日」について)血尿の自覚症状があり受診した平成16年を初診日とすると障害基礎年金、
約8年の受診中断期間の後、病院を受診した平成24年を初診日とすると障害厚生年金の請求になります。このようなケースは【社会的治癒】が絡んできますので、特に注意する必要がございます。
(参考記事:「社会的治癒」)今回の請求は、
① 医療機関より取得した書類(血液検査の結果・受診状況等証明書・診断書)の内容② 約8年の受診中断期間
③ 受診中断期間に通常就労している
上記3点を鑑み、社会的治癒を主張して請求を行いました。
平成24年を初診日とする障害厚生年金の事後重症請求です。
結果、当方の主張が認められ、無事障害厚生年金の支給が決定しました。
治療の空白期間があり、社会復帰など通常の日常生活が可能な状態がある場合には、社会的治癒が成立することがあります。
該当する可能性がある方は、慎重に請求方針を検討することが求められます。