右変形性股関節症 50代女性 障害厚生年金3級
概要
令和元年の冬、股関節に強い痛みがあり整形外科で相談する事にした。
受診した整形外科で検査を受けた結果、股関節臼蓋形成不全症と診断され内服治療開始。
薬の服用を続けたところ痛みが引いたが、令和2年夏に再度痛みを感じ病院を受診。
右変形性股関節症との診断を受け治療が再開された。
以後定期的に通院し経過観察を行っていたところ令和6年に症状が悪化。
右股関節の可動域が狭くなり、靴下を履く・立ち上がり動作・車の運転等日常生活に支障が生じるようになった。
担当医に相談したところ、人工股関節置換術を勧められたため承諾。
人工関節置換術および骨移植術を受けた。
手術後、気を付けなければいけない座り方・体勢・動作に注意しながら生活を送っている。
令和6年11月に障害厚生年金の請求を行う。
結果、障害厚生年金3級(事後重症請求)が認められた。担当者コメント
変形性股関節症で障害年金の請求を行う場合、初診日が争点になる事が多いです。
本請求の場合も初診日に留意して請求を行いました。
請求人は変形性股関節症と診断される前、股関節臼蓋形成不全症との診断を受けています。
臼蓋形成不全の原因の1つに胎児期の状態、幼少時の股関節の病気やケガなど、発育の過程において臼蓋が浅くなってしまうことが挙げられます。
この場合、20歳前より股関節の症状で受診歴がある可能性が考えられますので要注意です。
もし幼少期の時点で既に股関節の症状があり治療を受けられていた場合、現在に至るまでの経過によっては初診日が20歳前に遡る事が想定されます。
そうすると20歳前傷病による障害基礎年金での請求となるため、受給権が得られない可能性が高くなってしまいます。
*人工関節置換術を受けた状態は3級相当の障害状態とされているため本請求人の場合、幼少期に受診歴は無く、学生時代に体育の授業も問題なく受けられていました。
日常生活には全く支障なく股関節の痛みを感じた事もありません。
その旨をしっかり申立書に記載したうえで請求手続きを行ったところ、初診日は令和元年で認定。
障害厚生年金3級の支給が決定しました。
臼蓋形成不全・股関節脱臼など先天性股関節疾患と判断される可能性がある診断名を言われた方は、幼少期のご状態についても審査側に伝える必要があります。
ご注意くださいませ。