クローン病・痔瘻癌 40代男性 障害基礎年金2級
概要
15歳時、急に肛門部に痛みと腫れが生じた。
翌日になっても症状が続いたため専門医の診断を受けることにした。医師にかかると痔瘻と診断され、外来手術にてシートン法の処置を受けた。
若年での痔瘻発症は他の病気が原因の可能性があると言われ、後日大腸内視鏡検査を実施し、クローン病と診断された。
治療を開始する事になり、定期的に通院する事となった。
平成25年、肛門部に硬い腫れが発生。
患部の生検を行ったところ、痔瘻癌が見つかった。手術により、肛門部と直腸部を全摘出し、永久ストーマ(人工肛門)が造設された。
術後は、食事療法、投薬、ヒュミラでの治療を行う事となった。令和3年、痔瘻癌が再発。
前立腺全摘、膀胱の一部を切除し、尿路ストーマが造設された。術後、抗がん剤治療を開始。
薬の副作用により味覚障害、しびれ、倦怠感が継続しており、意欲低下が著しい。
思うように身体の自由が利かなくなっている。令和4年4月に障害基礎年金の請求を行う。
結果、障害基礎年金2級(事後重症請求)が認められた。担当者コメント
ストーマ(人工肛門)を造設した場合、障害年金上、原則3級に該当してきます。
お身体のご状態によっては、ストーマ造設後に他の処置を施される事がありますが、そのような場合、2級以上に該当する可能性が出てきます。
他の処置とは下記の通りです。
■新膀胱を造設したもの
■尿路変更術を施したもの
■完全排尿障害状態(カテーテル留置又は自己導尿の常時施行を必要とする)にあるもの
*全身状態や術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等により総合的に判断し、上位等級に認定される場合もあります。
本請求は、人工肛門造設後、尿路ストーマを造設していますので、2級の障害状態に該当してきます。
障害基礎年金で請求を行う場合、障害等級が2級以上に該当しなければ受給権を得る事は出来ません。
ストーマ(人工肛門)のみの造設なのか、ストーマ(人工肛門)がありさらに他の障害もあるかによって受給可否に大きく影響するため、障害基礎年金で請求を行う方は特に注意が必要になります。