球脊髄性筋萎縮症 30代男性 障害厚生年金2級
概要
令和2年頃から転びやすくなり、階段の昇りにくさ、疲れやすさを感じていた。
体調の変化を不思議に思いながらも、病院を受診することはなく様子を見ていた。
令和3年頃にはしゃがんだ際にさっと立ち上がることができなくなった。
全身の筋力低下、ペットボトルの蓋が開けられないなどがあり、さすがにおかしいと思ったため病院を受診することにした。
近医を受診しここ数年の症状を伝えたところ、神経疾患の可能性を指摘された。
握力検査で異質な筋力低下が見られた事から他院で詳しい検査を受けるよう勧められた。
紹介を受け受診した病院で筋電図検査を行い、球脊髄性筋萎縮症と診断された。
以降、2~3ヶ月に1度の通院を続けている。
必要最低限の日常生活動作さえ、動作速度が遅くなっていると実感している。
手を挙げているとだんだんと力が弱くなっていく。
シャンプーをするのも困難になってきており、足を組みその上に肘を乗せブラシで洗っている。
階段の昇降は手すりが必要で、ものにつかまらないと立ち上がれない。
重いものを持つことができないため、買い出しや育児は家族に任せっきりの状態。
嚥下機能も低下してきており、一度詰まらすと中々喀出できない。
令和6年6月に障害厚生年金の請求を行う。
結果、障害厚生年金2級(事後重症請求)が認められた。担当者コメント
球脊髄性筋萎縮症とは脳幹や脊髄にある運動神経細胞が徐々に減少して起こる神経疾患。
難病に指定されているご病気の1つです。
このような指定難病で障害年金の請求を行う場合、特に注意すべきは【初診日】。
症状を自覚して初めて受診した病院で確定診断を受けるケースはめったにありません。
複数の病院を渡り歩いて確定診断を受けるケースが大半です。
ドクターショッピングを繰り返す事半年、ようやく確定診断を受けるという話も聞きます。
本請求の場合も、初めて受診された病院では神経疾患を疑われたものの具体的な診断名は告げられませんでした。
障害年金でいう【初診日】とは、症状が出て初めて医療機関を受診した日。
ここには誤診や傷病名不明というものも含まれます。
したがって、確定診断を受けた日が【初診日】になるとは限りません。
たとえば、診断が決まる前に別医療機関から紹介を受けていましたら、紹介してくれた医療機関の【初診日】が障害年金でいう【初診日】となります。
本請求の場合も紹介元の病院の【初診日】が障害年金請求上の【初診日】として認定されました。
障害年金の請求を行う際は初診日の定義を理解したうえでお手続きを進める事が必要になります。
ご注意くださいませ。